ひとくち記事

思い出の配当を増やすこと

 思い出の配当は素晴らしいものです。

 あんなことやったな、あそこに行ったな、あれを食べたな。そうやって思い出せる素敵な思い出こそ、何よりも優先して積み重ねるべきです。

 投資家は手元のお金を増やすことばかり考えてしまいます。使うことなど考えもせず、今の我慢が将来の利益と考え、節約を超え節制を極めてしまいます。まるで戦時中のように。欲しがりません、勝つまでは。

 ですが一理あります。投資が利益を増やし続けるのであれば、いまの1万円を我慢し、2万円になったときに1万円を使うことで実質的に手出し無しで楽しめる。確かに数字上はそうです。ただし投資とは時間を扱うものです。1万円が2万円になるまでにどれほどの時間を要するでしょうか。年利10%だとして約7年です。小学6年生が大学生になっちゃいますね。これほどの時間を我慢してほど、お金を増やすことに専念するべきなのでしょうか?

 「投資は若いうちから」、確かにそう。でも、思い出づくりこそ若いうちから。投資はアラフォーからでもできます。ただ、思い出づくりはそうはいかない。若いうちしかできないことがあります。学生のうちにしかできないこと、独身のときにしかできないこと、子どもが生まれるまでにしかできないこと、子どもが生まれてすぐにしかできないこと。その時々にしかできないことがたくさんあります。

 わたしは旅行が好きです。全国各地を旅するのが目標ですが、まだまだ一部しか行けてません。始めて行く都市の場合はできる限り有名どころを周ります。そうすることで、テレビ番組やCMでその場所がでたとき、「あ、あそこ行ったな。良かったな〜」なんて思い出に浸れます。大切な人とともに過ごしていたならば、それは一生語り合える素敵なものにもなります。これは脳から記憶が欠落するまで、一生続きます。

 これこそが思い出の配当です。若いうちの素晴らしい体験、記憶に残る刺激的な出来事。それらは死ぬまで絶え間なくプラスのリターンをもたらします。これは投資と違い確約されたものです。なにかのきっかけでそれが思い出されるたび、確実に幸せな思いに浸れます。

 こういうのって大切だと思うな。もちろんお金増やしも大切だけど、それと同じくらい使うことも大切。バランスを考えないとダメだよね。投資に慣れてきて、加熱され続けてきた欲求が静まり始めた頃こそ、ダニング=クルーガーの頂点を乗り越えた頃こそ、【DIE WITH ZERO】を読むべきだと思う。

 大人になるとさ、過去の栄光や仕事の実績を誇る人間が多いことに驚く。でもさ、そんなの薄っぺらいんだよね。しんみりと浸れる、誰も傷つけない素敵な思い出を積み重ねた人ってさ、人間としての厚み、包容力が違うんだよね。なんでかわかる?それは思い出の配当を受け取っているから。思い出の配当によって、どんなときも幸せでいられているから。幸せに満ち溢れているから、余裕がある。余裕がある大人って素敵よね。

 配当金を増やすことも大切。配当金の再投資も大切。でもさ、思い出の配当を増やすことも大切だよ。死を目前にした人が思う最大の後悔は「もっと挑戦すればよかった」なのだそう。我慢も程々にしないとね。

 たまには投資以外のことも考えてみてね。世界は広いし、人生はまだまだ続くんだから。

 それじゃ、またね!

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