この記事では、私さとりが保有する【債券】と【金】について、なぜそれを保有するのかを紹介します。
長期投資の王道は、ズバリ【株式】です。
にも関わらず、なぜあえてその他の資産を保有するのでしょうか。
それぞれの投資スタイル
日本に投資する人もいれば、米国に投資する人もいます。
個別株を好む人もいれば、レバレッジETFを好む人も。
成長重視や配当重視。ハイテクやヘルスケア。
ただ、ひとつだけ共通した傾向があるように感じます。
それは、個人投資家の多くは投資先が株式のみなのではないか、という点です。
株式と現金のみで資産をコントロールしている人が非常に多いように思えます。
その比率は千差万別ですが、リスク資産と無リスク資産に分けるという分散方法は非常に理にかなっており、基本かつ王道の投資スタイルと言えます。
全世界株式などの「広く分散されたETF」と「無リスク資産」のみでリスクをコントロールする投資法は【CAPM理論】として提唱されているものであり、現代において最も論理的な投資とされています。
では、なぜ私はその王道からかけ離れた【債券】や【金】に投資しているのでしょうか。
株式の成長率
超長期的な目線で捉えた場合、株式の成長率は圧倒的なものであり、これが王道の投資先であることがわかります。
出典:株式投資 第4版
(ジェレミー・シーゲル著)
データは古いですが、有名なグラフですね。
値動きの激しさはあるものの、結果的にそれを乗り越えて右肩上がりとなっている確かな歴史があります。
つまり、これからもこれが続くならば、株式だけを持っていれば資産は爆発的に拡大することがわかります。
ただ、ひとつだけ問題があります。
そもそも、株式だけで投資を続けていけるのか?ということです。
短期の先に長期がある
先述のとおり、長期的な目線で見た場合、株式の成長率は他のアセットを大きく引き離し、圧倒的な右肩上がりとなっています。
これは過去50年における【S&P500】の対数チャートです。
上下の変動はあるものの、確かな上昇を記録しています。
こういったチャートを見るたび、
- やっぱり長期投資だ
- 株式だけで問題ない
- 短期的な下げは「さざなみ」
そう思ってしまいますね。
しかし、この長期チャートを我々が比較的身近に感じることができる期間で区切って見てみるとどうでしょうか。
想像してみてください
投資を初めて数年間、株価は値下がり一辺倒。
急落と反発の繰り返しにより、資金もメンタルも削り取られます。
大暴落から5年。ようやく株価も戻ってきたと思ったら…
リセットボタン。あっという間に逆戻り。
長期投資をしようとするならば、こういった短期的な上下落に巻き込まれることを覚悟しなければなりません。
とはいえ、これらはすべて過去の話。
所詮はただのバックテストであるため、なかなか実感がわかないというのも無理はありません。
今でこそ「当時の底値」を知ることができますが、その「当時」に「当時の底値」を知る術はありません。
何年分の成長が無に帰するのか、混乱と悲壮の渦中、仕事も食事も手が付かない。
- 自分は長期投資だから大丈夫
- 下落しても20年持ち続ければプラスになる
株式市場の長期的な成長を楽観視するのは何も間違いではありませんし、誰もがそう願っています。
ただし、心の強さを軽視してはいけません。
昨年9月や今年の下落局面以降、SNSの投稿が止まっている人も多く見受けられます。
長期投資を掲げながらも挫折してしまう人は、想像以上に多いのです。
長期投資をしたいのなら、目先の短期を乗り越えることを目標とするべきです。
短期投資の積み重ねが長期投資となるのです。
そしてそのために役立つのが…
値動きの平滑化
アセット単位での分散、そしてその代表的存在である【金】と【債券】に投資する理由は単純です。
これらは「株式の下落に追従せず値上がりすることが期待できる」ためです。
いかなる下落相場においても、保有する資産の内どれかひとつでも値上がりしていれば、下落による心理的ダメージを大幅に軽減できるのです。
- 緑:S&P500
- 紫:長期国債
ナイアガラ状態の株価を【債券】がカバーしているため、全体で見た場合に下落のダメージは大幅に軽減されています。
- 緑:S&P500
- 紫:長期国債
- 黄:金価格
ひとつ上のもと同一区間ですが、【金】の成長率が群を抜いていることがわかります。
「今」も変わらない
- 緑:S&P500
- 青:長期国債
- 黄:金価格
この区間は皆様も身に覚えがあると思います。
2022年の年初来チャートです。
守りの資産としてその力を期待されていた【債券】ですが、利上げが懸念される局面においては効果を発揮しませんでした。
【株】と【債券】のみへ投資をしていたら、相当に心が削られていただろうと想像します。
しかし【金】だけは値上がりしていたため、そのダメージを大幅に軽減してくれました。
資産全体としては下げていても、【金】という資産、具体的には【GLDM】が値上がりしている様子を見ていると、割と冷静でいられるものです。
これらの区間はあくまでも一例ですが、人間が持つ敏感で脆い心を保つためには、【アセット分散】による値動きの平滑化が効果的なのです。
これぞ【シャープレシオの向上】であり、個人投資家が相場にしがみつくために有効な代表的手段なのです。
メンタルケアも十人十色
個人投資家として相場に居座ろうとするならば、自身の心を平穏に保ち続ける必要があります。
通常の社会生活を続けていると、必ず投資のことが頭を過る瞬間に出くわします。
- テレビCM
- ネット上の広告
- Youtubeの「オススメ」
- 「為替と株の値動きです」
過度なリスクを取っている状態だと、そのたびにソワソワしてしまいますよね。
- 投資後完全放置
- 完全無心積立
- 相場情報完全遮断
- 投資話題完全拒絶
無人島生活をするわけでもない限り、こんなことはとても無理です。
相場とは向き合い続けなければなりません。
だからこそ、短期的な変動による心理的ダメージを低減するため、各々にとって適切な手法を取る必要があります。
- アセット分散
- 配当金投資
- 優待投資
- SNSで慰め合う
価格変動の抑制以外にも、投資に付帯する楽しみでケアする方法もあります。
もちろん【株+現金】でも構いません。
3倍ETFが最も刺激的で気持ち良いという人もいます。
重要なのは、自分にとって【最も心地よいPF】を組むことなのです。
資産拡大の効率が落ちる?
- 金と債券が足を引っ張る?
- 配当金投資だと非効率?
- 優待より現金が大切?
重要なのは拡大のスピードではなく、着実なる拡大です。
そして、それは相場に居座ってさえいれば手にすることができるはずです。
計算上考えられる最大効率を求める必要はありません。
誰かと競っているわけではありません。
退場せずに居座りさえすれば良いのです。
居座り続けるために、心を平穏に保つことが求められるのです。
何もつらい思いをする必要はありません。
抱えるリスクの大きさは、優秀さの指標ではありません。
ゆるく、気楽に投資を続けていきましょう!
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