株取引というものは、基本的に売却することで利益を得るものです。
…のはずですが、SNSでは「ガチホは正義」という主張をよく見ます。
- 売りは逃げ
- 脱落者
- (その他美しくない言葉)
こういった、売り抜けた人を罵倒するような言葉も生まれています。
まさか、「みんなで下落の痛みに耐えているのに、そこから抜け出すなんて卑怯だ」なんていう思考なのでしょうか。
こだわるあまり…
下のチャートは、【QQQ】の年初来チャートです。
ガチホにこだわるあまり引くに引けなくなってしまうと、このようにダメージが膨らんでいくわけですね。
変な話、今年1月の下落時にちゃちゃっと狼狽売りをしていた人の方がダメージは少ないわけです。
ただ、幸か不幸か円安が進んでいるため、なんだかんだトントンかもしれませんが…
しかし、為替ヘッジ有りの商品を保有している場合は…
「結果論だ」なんていう声も聞こえてきそうです。
そういう人は、いつになるか株価が下落前の水準に戻ったとき、「ガチホしててよかった」と言うことでしょう。
それこそ結果論です。それも、見えない未来の。
「いずれ」でいいのか
1年前に【QQQ】や【VOO】といった王道の銘柄を買付し、惜しくも「ガチホ」を続けてしまった人はもれなく含み損になっています。
年末年始の高値で買ってしまった人はまさに最悪。
流行りの「レバレッジ」系なら、もう目も当てられませんね。
自分のタイミングで「売る」ことは非常に重要です。
「下がっても、いずれ上がるからOK」という考え方。これは非常に危険です。
「いずれ」という考え方。
それすなわち「終わり方を考えていない」ということ。
「終わり方」とは、「売り方」という意味です。
- いついつに売ろう
- このくらいの利益で売ろう
- ここまで下がったら売ろう
- 現金が必要になったら売ろう
こういった「売り方」は非常に重要です。
これを全く意識しない投資が生むものはひとつ。
下落による狼狽売り。ただこれだけです。
終わりを意識しないと、パニックになるまで売れなくなります。
上昇しすぎてパニックになる人なんていませんよね。
売り方を決めないということは、損する未来しか無いということなのです。
ゴールを考えずにスタートしてはいけません。
配当目当てなら
保有の目的が「売却益」ではなく「配当金」なのであれば、話は別です。
- VYM
- SPYD
- 高配当株
などといった、それなりに配当金が出るものであればガチホはアリです。
自分で売らずとも、全自動で利益確定をしてくれますから。
【eMAXIS Slimシリーズ】のような、配当金をファンド内で再投資をしてくれるものも、ガチホはアリといえるでしょう。
下落局面での再投資は、上昇局面でのアクセルとなるからです。
ただ、以下のようなもの
- QQQ
- 3倍ETF
- 無配株
これらのような「自分で売却するまで利益が発生しないもの」については、ガチホする意味は有りません。
含み益遊びが趣味でないのなら、どんどん売ってください。
レバレッジETFなら、なおさらです。
なんですかこの「-83%」という数値。意味不明です。
3倍ETFの長期ガチホがいかに恐ろしいことなのか。
「個別じゃなくETFだから大丈夫。いずれ上がる」と信じた人は、残念なことに資産が5分の1になったわけです。
ガチホが通用するのかどうなのか。一度、銘柄ごとに考えてみてください。
自由に売ってください
YoutubeやTwitterの投資界隈から感じる「売りは悪」といった風潮。
私は、その風潮こそ悪だと思っています。
売るとなぜか罵倒され、場合によってはなぜか同情され、そして時にはなぜか励まされ。
どれもおかしいですよ。そもそも「株は売買するもの」でしょう。
他人にはガチホを勧めておいて、自分は売った?
それも普通のことですよ。
- 年齢(残された時間)
- 含み損益率
- 確定済み利益の有無
- 直近数年での損益通算
など、人によって状況は違いますから。
皆さん、自分で考え、どうか自由に売買してください。
命果てるその時まで、ガチホしますか?
売りは正義でも悪でもありません。当然の投資行動です。
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