この記事では、私さとりが愛するETF【GLDM】について紹介します。
株式をメインの投資先としていますが、分散を目的とし、株でも債券でもない資産として【金】を保有しています。
- 歴史ある伝統の資産
- 直近15年でSP500に匹敵
- 株とも債券とも相関しない
どの国にも属さない資源
軽くご紹介
【GLDM】は、米国の資産運用会社【ステート・ストリート】が運用するETFであり、米国ETFの時価総額ランキングにおいて150位以内に位置するものです。
また、ほとんど同一の金ETFとして【GLD】があります。
【GLD】は歴史が長いこともあり、時価総額ランキングでは約20位に位置しますが、経費率が高いということから、私はお手軽に保有できる【GLDM】を買付しています。
【GLDM】は金の価格に連動するETFであるため、株でも債券でもないアセットとして分散投資に非常に有効な銘柄です。
さらに、金はどの国にも属さない【全世界で共有されている資源】であるため、カントリーリスクの回避にも有効です。
どの国とも、どの資産とも関連がないことから、トランプで言うジョーカーのような投資先だと考えています。
基礎データ
運用会社 | State Street |
---|---|
ETF名称 | GLDM:SPDR Gold MiniShares(公式) |
連動指数 | LBMA Gold PM Price(公式) |
分配金 | なし |
経費率 | 0.10% |
※2022年2月末に株式併合され、単価が2倍になりましたが、経費率が0.18%から0.10%に下がりました。
価格推移
GLDMの長所
株や債券とは異なる値動き
金は株や債券といった【伝統的資産】ではなく【オルタナティブ資産】という位置づけとなっています。
【オルタナティブ資産】とは、代替資産とも呼ばれるものであり
- コモディティ
- インフラ設備
- 不動産
といった、株や債券とは異なるものの総称です。
株でも債券でもないということから、日々の値動きもこれらとは異なるものとなっています。
実際の値動きは?
- 緑:GLD(金)
- 紫:VGLT(長期国債)
- 青:SPY(S&P500)
- 桃:AGG(米国総合債券)
の4種で比較したチャートです。
【GLD】が他とは異なる動きをしていることが見て取れるかと思います。
相関係数は?
- 青色線グラフ:GLDの価格推移
- 青色面グラフ:BNDとの相関
- 水色面グラフ:VGLTとの相関
- 黄色面グラフ:VOOとの相関
ご覧のとおり、債券ETFの2種とは若干の相関があると言えますが、株式とは全く相関が無いことがわかりますね。
このことから、株や債券が不調な局面でも、金によるリターンを期待することができます。
値上がりした金を売却し、不調な株式を仕込む。チャンスを捉えたリバランスも狙えますね。
※ 相関係数とは…
2つの銘柄を比較する際に使用されるものであり、それぞれの値動きの関連性を数値化したものです。
- 似た値動き=「正の数値」
- 逆の値動き=「負の数値」
で表され、「+1〜-1」の範囲で示されます。
例えば【VOO】と【VTI】の場合、これらはほとんど同じ値動きをするため…
長期での成長率
直近15年を【SP500】と比較したチャートがこちらです。
- 緑:GLD
- 青:SP500
※今回ご紹介している【GLDM】は歴史が浅く長期でのチャートがないため、ほとんど同一の銘柄である【GLD】のものを使用しております。
意外な事実ですが、投資時期によっては株式に匹敵するリターンを記録しています。
さらに、リーマンショックやコロナショックといった暴落相場において、圧倒的な値上がりを記録していることがわかります。
上下落の激しい相場を乗り越え、立派な右肩上がりとなっています。
機関投資家の避難先
個人投資家から資金を調達し運用する機関投資家は、キャッシュポジションを持ちません。
運用をお願いしているのにキャッシュのまま持たれてしまっては意味がありませんよね。
機関投資家は暴落時においても何かしらの銘柄に投資する必要があります。
そんなときに買われるのが【債券】と【金】なのです。
保有にあたっての注意点は?
インカム収入がない
【GLDM】は分配金が無いETFです。
株や債券では、価格が下がってしまっても
- 再投資で仕込めるからヨシ
- 配当金で元を取れば良い
となりますが、金ではこれは不可能です。
含み損でも耐え続け、株式の暴落時に高騰するであろう機会を見逃さずに売却する。
そして暴落により格安となった株式を大量に仕込む。
超長期では株に劣る
先ほど紹介した15年チャートでは【SP500】に匹敵するリターンを遂げていましたが、超長期で見た場合、金の成長率は控えめなものとなっています。
出典:株式投資 第4版
(ジェレミー・シーゲル著)
2001年までのデータでは、消費者物価指数、すなわちインフレ率とほぼ同様の成長となっています。
成長が期待できる債券を【受け身】とするならば、金は【守り】もしくは【保険】と言えるでしょう。
下落相場や各種大規模なショックなどの瞬間的な局面では非常に強いですが、超長期的な目線で見ると、株式や債券の成長力には遠く及びません。
ただ、価格が長期的に右肩下がりというわけではないので、それなりに安心して保有することはできます。
金の立ち位置は【代替資産】です。
重きを置くべきは、やはり【伝統的資産】でしょう。
金の特性をよく理解し、後々後悔することのないよう
- PF内の保有比率
- 保有の目的
を忘れずに意識する必要があります。
用途とその価値とは
金の埋蔵量
【金】の価値は「地球上の金の埋蔵量は有限である」という大前提のもと決定されます。
世の中の【通貨】は、その国が発行する限り増え続けます。
しかし【金】の量は何があっても増えることはありません。
そのため、通貨が発行されるたび、相対的に【金】の価値が高まり、価格が上昇するのです。
さらに、世界が物価上昇を目指し続ける限り、金の価値は高まります。
○物価上昇(インフレ)→通貨価値の低減→金の価値が上昇
物価下落やデフレを目指し続ける国なんてありません。
これらのことから、相場変動による短期的な上下はあるものの、本質的な価値の低下を心配する必要はないでしょう。
金の用途
【金】の安心感と信頼性は、皆さん御存知の通り、この地球の歴史が証明しています。
金本位制が主流であった時代は、通貨との引換券でした。
今この現代においては、様々な用途で使用されています。
- 情報技術
- 科学技術
- 医療
- 芸術
- 食用
- 投資対象
【金】は単に投資対象なのではなく、人類の成長に欠かせない【資源】なのです。
金をPFに組み込むとは
数ある研究により
- 【株式:債券=10:0】のPF
- 【株式:債券=8:2】のPF
後者の方が長期的なリターンが高いことがわかっています。
さらにここから株式の比率を幾分か減らし、金を5%〜8%程混ぜることでPFの安定性が増すことがわかっています。
「若い内は株式100%でいい」とはよく聞きますが、それは「フォワードだけのサッカー」のようなものです。
【GLDM】をいくらか保有することで、
- PFの安定性増強
- リバランスによる利益拡大
- 現預金のインフレ対策
- 心の平和
を狙うことができます。
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