この記事では、世界中の増配大好きマンから注目される2つのETF
- VIG
- SDY
これらについて、簡単に比較をしてみます。
どちらも「連続増配」をテーマにしたETFであり、増配好きとしては気にせずにはいられないものとなっています。
企業が成長しているからこそ「増配」することができます。
そういった企業をまとめてくれたETFであるため、長期保有を続ける上で非常に安心できる投資対象となっております。
簡単にまとめると
いきなり総まとめですが、まとめると以下のようになります。
※各情報は、2022年5月14日時点のものです。
ETFを構成する上位銘柄に大きな差が生まれており、利回りに差が出ていることがよくわかります。
(利回りの数字は日々変わるので、都度検索願います!)
経費率にも差があります。【VIG】は本当に低コストですね。
各種比較
株価推移の比較
- 緑:VIG
- 桃:SDY
- 青:S&P500
2007年からの比較チャートですが、【VIG】と【SDY】とでおよそ2倍の差が出ています。
【VIG】にあっては【S&P500】とほぼ同じ値動きをしており、その優秀さがよくわかります。
再投資した場合は?
- 青:VIG
- 赤:SDY
再投資した場合でも【VIG】の方が優位ですが、その差はかなり縮まっていることがわかります。
再投資こそ複利の基本。その効果がしっかり現れていますね。
銘柄の重複率は?
【etfrc.com】にて計測した結果、重複率は24%でした。
それぞれの構成比率などを加味し、どれくらい重複しているのかを表しています。
重複について意識する際、単なる構成銘柄の被りではなく、それらの保有ウェートを意識することが大切です。
てっきり、もっと重複しているかと思いました。
また、単純に構成銘柄数だけで被りを調べると、その数は「95銘柄」であり、
- 【VIG】を構成する288銘柄の内、33%の銘柄は【SDY】にも組み込まれている。
- 【SDY】を構成する119銘柄の内、80%の銘柄は【VIG】にも組み込まれている。
となります。
セクター比率は?
VIG
SDY
大きく異なることがわかりますね。
【VIG】は情報技術がダントツであり、グロース株的な株価成長を期待させてくれますね。
【SDY】には不動産が含まれていることが特徴でしょうか。公益事業の大きさも注目ですね。
増配の具合は?
VIG
SDY
どちらも順調に右肩上がりですね。
【SDY】の2013年〜2017年にてグラフが高く飛び抜けていますが、それは通常とは異なる特別な分配が出されたためです。
最近は【SDY】も2桁増配を記録していたりと、健闘ぶりが伺えますね。
個別に見てみると
VIG
基本情報
ETF名称 | Vanguard Dividend Appreciation ETF |
---|---|
運用会社 | Vanguard |
連動指数 | S&P U.S. Dividend Growers Index |
経費率 | 0.06% |
配当傾向 | 低利回り・高高増配 |
ベンチマークの採用基準は以下の3点
- 米国企業
- 10年連続増配を記録する企業
- 以上2点を満足する企業から、配当利回りの上位25%を除外したもの
となっており、その構成比率は
- 時価総額加重平均
にて決定されます。
あえて利回り上位25%を除外するという珍しいルールですが、2021年9月から追加されたこれがなかなか良い働きで、
- 配当性向が高すぎる(成長より配当を重視する)企業
- 増配を維持するために無理な配当を出す企業
こういったものを除去し、成長の鈍化や減配による株価急落リスクを未然に回避しています。
高配当銘柄を除去していることもあり、直近1年の利回りは【2%】に満たず、分配金を目当てにするならば、少々物足りないものとなっています。
しかし、【VIG】が誇る唯一無二の武器は
- 圧倒的な増配率
- 着実なる株価成長
であるため、目先ではなく長期で捉え、高配当ETFを超える分配を記録するその時を忍耐強く待ち望むべきなのです。
経費率も低く、長期投資のオトモに文句なしのETFですね。
株価推移
構成銘柄と比率
2022年5月時点におけるものを列挙します。
構成比率の上位10銘柄です。
- MSFT:3.9%
- UNH:3.9%
- JNJ:3.8%
- PG:3.1%
- JPM:2.8%
- V:2.8%
- HD:2.6%
- MA:2.6%
- KO:2.0%
- PEP:1.9%
分配金履歴
履歴については、以下のサイトにて詳細に閲覧できます。
[Seeking alpha] ←海外サイトです
- Declare Date:配当発表日
- Ex-Div Date:権利落ち日
- Amount:配当額
SDY
基本情報
ETF名称 | SPDR S&P Dividend ETF |
---|---|
運用会社 | State Street |
連動指数 | S&P High Yield Dividend Aristocrats Index |
経費率 | 0.35% |
利回り | 中利回り、中増配 |
ベンチマークの採用基準は以下の2点
- 米国企業
- 20年連続増配を記録する企業
となっており、その構成比率は
- 予想配当利回りが高い順加重
(正式名称不明)
にて決定されます。
配当利回りの高いものほど多く保有しているため、【VIG】に比べて若干利回りは高くなっています。
その反面、成長を重視している企業の比率は低くなるため、基準価格の上昇という面で見ると若干劣っている傾向にありますね。
株価推移
構成銘柄と比率
2022年5月5日現在におけるものを列挙します。
構成比率の上位10銘柄です。
- LEG:2.07%
- IBM:1.95%
- NNN:1.79%
- XOM:1.78%
- AMCR:1.77%
- WBA:1.63%
- BEN:1.63%
- MMM:1.61%
- O:1.59%
- KMB:1.51%
長期保有なら?
私は【VIG】を推します。その理由としては
- 王道の「時価総額加重平均」である
- 超低コストである
- 安定した高増配率である
- 基準価格の上昇を期待できる
逆に、【SDY】を推さない理由もあります。
- 「予想利回り加重」がよくわからない
- 比べると高く見える経費率
- リバランスが多い(年4回)
- コアにするには、銘柄数が若干少ない
以上のことから、私の好みとしては【VIG】となります。
【SDY】をオススメできるのは、次のような方かと思います。
- 超長期間の連続増配銘柄という安心感を確保したい。
- 連続増配をベースとしながら、利回りも重視したい。
ただ、【SDY】を保有するのなら、単独ではなく他のETFとの組み合わせが良いのかなと思います。
例えば、【VIG】を基本としながら、足りない利回りやセクターを補う形で少量の【SDY】を保有するなど…
代えがたい魅力
配当をテーマにしたETFは多くありますが、【連続増配】を意識したETFは少ないです。
- 好配当
- 配当成長
- 配当フォーカス
などといった配当を意識した名称は色々ありますが、どれも採用基準などが若干不明確だったりします。
その点【連続増配】は実にシンプル。名前そのものです。
また、連続増配ETFは下落相場でも安心して保有できるものと言えます。
下落相場での重要な立ち回りは、分配金の再投資による複利効果の獲得です。
再投資のための分配金が増配してくれれば、その分複利効果も大きいということです。
数年投資を続けていますが、なんだかんだで最も長く保有しているのが、この連続増配ETF【VIG】です。
投資において重要なことは、相場に居座ること。
それには連続増配ETFが最適だと信じています。
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