この記事では、投資を成功へと導く行動ファイナンスについて紹介します。
今回は【同調現象】をメインに紹介します。
これを知ることで
- 他人に流されない投資
- 投資方針の継続
- 感情的な投資の抑制
に効果があるでしょう。
【自分と違う意見を掲げる人の発信】に、無理して身を晒す必要はない。
ときには自分から距離を取ることも大切。
はじめに
集団の意見が同じ方向に傾くことを【群集心理】といいます。
自分の意見や行動を他者に合わせることを【同調現象】といいます。
このふたつはセットで語られることが多いですね。
どちらも、集団の中に身を置いているときに発生する心理現象です。
群集心理と同調現象
なぜ、同調がおきるのか
人間とは、自身が思うより弱く、不安を感じやすい生き物です。
自分の行動や考えにどれほど自信を持っていても、他者の意見によりそれは簡単に覆されてしまいます。
その「他者」が大勢であるほど、より顕著になるでしょう。
人間とは、群衆から孤立することを本能的に避けるような作りになっているのです。
アッシュの同調実験
どの線が同じ長さ?
心理学者のソロモン・アッシュ博士により行われた実験を紹介します。
同調現象に関する、非常に有名な実験です。
- 助手6名と被験者となる学生1名による、計7名のグループを作る
- [直線X]が書かれたカードと、[直線A,B,C]が書かれたカードを見せる
- [直線X]と同じ長さの線は[直線A,B,C]の内どれかと問いかける
- 正解は明らかに[直線C]であるところ、助手は全員[直線A]と答える。
このような状況で、被験者の学生はどの直線を選ぶかという実験。
実験の結果は…
繰り返しの実験の結果、37%の学生が[直線A]と答えることとなりました。
こうなった理由として、学生は以下のように説明しました。
- 【自分が何か勘違いをしている】
- 【自分以外の皆が間違えるわけない】
- 【合わせておいたほうがいい】
そのように考えてしまうようです。
正しいことを知っているのにも関わらず、大多数の考えに追従してしまう。
投資におけるこれらの効果
あなたが、ドルコスト平均法でのインデックス投資を続けているとします。
そんな中、仮想通貨やIT株が高騰し、連日最高値を更新。
周りの皆がそれに乗じて大きな利益を出している中、自分だけ地味で退屈なインデックス投資を愚直に続けられるでしょうか。
- そんな投資は無駄だ
- お前は損をしている
- 行動しないバカ
などと言われながら、コツコツと続けられるでしょうか。
- 自分だけ間違えている
- 同じことをすれば儲かる
いずれそう感じてしまうでしょう。
そして、何をもったいないことをしているんだ、今からでも遅くない、となるのです。
群集心理、同調現象にはそれほどの影響力があります。
同調実験のもうひとつの真実
アッシュの同調実験の結果には、もう一つの側面があります。
博士は、実験内容に若干の変更を加え、いくつかのパターンで実験を行っていました。
その中のひとつに、助手の内1人は正しく答えるというものがあります。
この場合だと、同調する割合が格段に低下するという結果がでたのです。
味方や理解者、同じ思いを持った仲間を作るということの重要性がわかります。
自分と同じ投資方針を持つ人とのつながりを見つけることで、安心して長期投資に望めますね。
- リアルの友達
- 職場の同僚
- SNSのフォロワー
おわりに
仲間を作ることも大切ですが、自分と違う意見を掲げる人から距離を取ることも大切です。
そうすることで、いつか流されるかもしれない、手を出すかもしれないというリスクを避けることが大切です。
ただ、距離を取るだけです。
現実社会でも同じだと思います。
例えば学生時代、
- やんちゃなことをしているグループ
- 隠れてお酒やタバコを吸っている人達
- 万引などの悪事を働いている人達
こういった方々と仲良くしようと思いましたか?
皆さん、上手に距離をとっていたと思います。
人間社会に身をおいている以上、他人との関わりは避けられません。
自分と合わない人、考えが違う人もたくさんいるはずです。
そのような環境での正しい身の振る舞い方は【距離を取る】ことです。
誰かを非難しても、誰も幸せになりません。
誰かの考えを否定しても、自分の資産が増えるわけではありません。
適切な距離感を意識し、投資を継続させましょう!
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