ひとくち記事

投資から消費へのシフト

 投資から消費へシフトするタイミングに悩んでいる人もいるだろう。ここでひとつの「考え方」を紹介する。

 投資を始めてどれくらい経っているだろう。1年、5年、15年、各々が各々の歴史を刻んでいると思う。ここで思い出してほしいのは、初めて間もない頃の資産額だ。それなりの貯蓄がある状態で始めた人ならば、スタートの段階で数千万円なんてこともあるだろう。だが大抵の人は、多くとも数百万円ではないだろうか。

 私も初めは200万円くらいだったと思う。懐かしい、初めて買った株はツタヤだったか、セイコーだったか、それともイオンだったか…。貯金を崩して投資をし、毎月の給料をワクワクしながら入金したものだ。

 そう、入金だ。投資から消費へのシフトにおけるひとつのバロメータとなるのが、入金額だ。ここでポイントとなるのが、「総資産額に対する入金額の割合」だ。言い換えるならば、「入金が及ぼす総資産への影響」といったところだ。これが大きいほど、入金の価値は上がる。

 仮にここで「株の総資産が200万、毎月の入金額が10万円」だとする。この場合における入金の価値は偉大だ。1ヶ月働き、一度入金するだけで総資産が5%も上昇する。年間だと単純計算で60%の上昇だ。仮に株の成長がゼロでも、入金だけで総資産は320万円となる。

 では、株に期待する年間リターンはどれくらいだろう。長期に均せば年間7%程度だろうか。200万円の株資産に何も入金することなく放置した場合、214万円になる計算だ。これだと、株の成長による増加よりも、入金による増加の方が大きい。【株<入金】だ。この場合、「入金するべき」と考えてよい。

 ここで総資産が1,000万円になったとしよう。毎月の入金額は変わらず10万円、年間で120万円、株の成長は年7%だ。株の成長だけだと1,070万円になり、入金だけだと1,120万円になる。ここでも【株<入金】なので、ガンガン入金するべきだ。

 ただ、総資産が2,000万円になったとする。株の成長だけだと2,140万円になり、入金だけだと2,120万円になる。このあたりからだ、投資するか消費するかを悩み始めるのは【株>入金】になったタイミングこそ、消費にもシフトし始めるべきなのだ。

 ※現実的には「入金した額と株の成長の両方」で資産が増えるのだが、計算が面倒なのでやってない。ここはあくまでも「考え方」ということで理解願いたい。正確に知りたいならば、株の成長と入金額の両方で計算するといい。毎月あたりの成長と入金で計算できたなら、より正確だろう。

 ここまで資産が増えたなら、入金をゼロにし、毎月10万円分遊んだとしても、株だけで資産は増え続ける。もちろん投資し続けてもいいが、シフトのタイミングに困っているのなら、こういったタイミングで消費に回るのもひとつの手だろう。

 この考えのもとで投資を続けたいのなら、入金額を増やすか、総資産が減ったとき、すなわち暴落時に投資することになる。継続的に投資を楽しみたいのなら、年収を上げるか、節約するかして入金額を増やし、「入金が及ぼす総資産への影響」を高める必要があるだろう。

 もちろん、あまり考えずに入金を続けてもいい。わたしもそうしている。入金の価値なぞとっくに株のリターンを下回っているが、余ったお金は投資に回している。ただ、以前と比べ投資の優先度は格段に下がった。2ヶ月に1回だった旅行が、今では3週に1回だ。今後はもっと頻度が上がるだろう。

 いつまで投資を続けるか、いつになったら使ってもいいのか、もしこういったことに悩んでいるのであれば、一度自身の「入金価値」を考えてみるといい。投資に疲れ、日々の充実感が薄れてきたと感じるならば、うんとお金を使うといい。使ってこそお金なのだから。

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