この記事では、資産形成において意識するべき重要事項であり、冒険するより先に築き上げるべき「コア資産」の選定についてご紹介します。
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コア資産の選定に悩む個人投資家はとても多いと思います。何の銘柄にするか、どういった割合にするか、どの国にするか、などなど…
そんな「迷える個人投資家」に、私が愛する連続増配ETF【VIG】という最高のコア資産を提案します。
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よくある悩み
バリュー株とグロース株のどっちがいいか
株式市場には「流行り廃り」「トレンド」なるものが存在します。割安株がこぞって買われるときもあれば、イケイケの成長株に殺到することも。
今の流れが何かなんてわからないし、わかった頃にはすでに遅い。後追いしたところで損するだろうと予想できます。
ならどうするか?そこで【VIG】です。
これは、公式ページにある【VIG】のスタイルボックスです。これを見ると、【VIG】はバリューとグロースの中間にあることがわかります。
グロース株ETFである【VOOG】と、バリュー株ETFである【VTV】を使用し、過去のリターンを比較してみます。
2020年から
- 青:VOOG
- 赤:VIG
- 黃:VTV
グロース株が強い局面が続いたため、【VOOG】がトップの成績となりました。並べると「VOOG > VIG > VTV」ですね。
2021年から
- 青:VOOG
- 赤:VIG
- 黃:VTV
2021年からで見ると【VTV】がトップ成績です。並べると「VTV > VIG > VOOG」ですね。
スタイルボックスの位置付けでもそうでしたが、【VIG】はまさに中間点の成績を出しているとわかります。
何が来ようと万全です。流行り廃りに流されない、常にバランスの取れたパフォーマンスです。
有配株と無配株のどっちが良いか
しばしば議論がなされるこの問題。利益を配当金として株主に還元する企業(有配株)と、還元せずに自社成長に使う企業(無配、低配株)とを比べた時、配当金を含めたトータルリターンではどっちが優秀かという問題です。
無配株、低配株にはグロース株が多いでしょうから、上昇トレンドに乗りさえすれば大きな利益となります。しかし、思うように値上がりしない横ばい相場であれば、堅実に配当金を出してくれる有配株の方が利益は大きいでしょう。
「一体どうすれば」とお悩みなのなら、これもやはり【VIG】を提案します。ここでは、無配株や低配株が多い【QQQ】と高配当株が詰め込まれた【VYM】を使用し、簡単に過去のリターンを比較してみます。
それぞれの分配金利回り
- QQQ:0.69%
- V I G:1.84%
- VYM:3.19%
※Bloombergから引用
2020年からのリターン
- 青:QQQ
- 赤:VIG
- 黄:VYM
2020年からだと、配当金を再投資した場合のリターンは「QQQ > VIG > VYM」の順になります。「自社の成長に回したほうがリターンが高かった」という期間だったわけです。
2021年からのリターン
- 青:QQQ
- 赤:VIG
- 黄:VYM
2021年からだと、結果は逆転しました。「VYM > VIG > QQQ」ですね。
ご覧いただいてわかるとおり、いいパフォーマンスが何年も連続で続くとは限りません。
有配株と無配株のどっちが将来的に高いリターンになるかを予想するのは難しいのです。
ただ、【VIG】はいつも2番目の成績でした。1番になることも3番になることもありません。常にバランスの良い値動きをしており、非常に安心感があります。
どのセクターに投資するべきか
「情報技術」や「ヘルスケア」など、米国株には11種のセクターが存在します。これもまた、その時々の流行り廃りや景気動向により伸び率に差が出るものであり、投資判断を悩ませる要因です。
それでは、ここ数年で圧倒的プラスリターンを叩き出した【QQQ】のセクター比率を見てみましょう。
QQQ
3セクターで8割を占めるという凄まじい偏りです。偏りすぎて怖い感じもしますが、ここ数年はこの偏りがドハマリし、他の追随を許さない圧倒的なプラスリターンを記録しました。
しかし、2022年に入り陥落。様々な要因が合わさり、ハイテク系グロース銘柄は壊滅的に下落しています。
セクターに偏りがあるということは、大幅に上昇することもあるし、その逆もあるということ。値上がりしているうちに売り抜けることができないと、伸び悩みに出くわしたり、大幅な下落に苛まれることもあるのです。
それでは、【VIG】のセクター比率について見ていきましょう。
先程の【QQQ】と比べ、数値的にバランスが取れていますよね。偏りがないため、大幅な下落には遭遇しにくいですが、逆に大幅な上昇にも遭遇しにくいでしょう。
しかしながら、コア資産に求めるものとは「資産基盤として信頼できる安定度合い」であるため(人によりますが)、大幅な上下が無い【VIG】こそコア資産として相応しいのではないでしょうか。
パッシブ運用の指数投資
今回の比較を見て「なんだかどっち付かずだな」と感じた方もいるかと思います。
まさしくその通り。【VIG】は中途半端なETFです。光り輝くスターでもないし、王道でもありません。
【VIG】は1番になるETFではありません。このETFの強みは「市場がどう転んでも、株式ETFの中では比較的安定した動きを続けている」ということです。
1番になりたいのなら、セクターを偏らせるなど、何かに特化させる必要があります。そしてなによりも、1番になるためには、1番のときに売り抜ける必要があるのです。
売り抜けるだけでは終わりません。1番で売り抜けた後は、次に1番となる銘柄に乗り換え、そこでまた1番のときに売り抜けなければなりません。タイミングを少しでも間違えると、2番どころか3番で売ることになります。
お気づきでしょうか。1番を狙うということは、アクティブ運用そのものなのです。
思い出してください、あなたがなぜ指数連動型(パッシブ運用)のETFに投資しているか。それは「アクティブ運用はパッシブ運用に勝てない」という過去の歴史を学んだからでしょう?
せっかくパッシブ運用のインデックスファンドに投資しているのに、あなた自身がアクティブ運用をしてしまっては意味がありません。
1番を狙わずに2番で居続ける。そんな【VIG】こそ真のパッシブ運用であり、最高のインデックス投資なのです。
投資後はどうするか
そのままでもいい
無理してポートフォリオに手を加える必要はありません。【VIG】に投資さえすれば、あとはその優秀な採用ルールに則り、自動的に銘柄の組み換えをしてくれます。
投資信託版もある
ETFでの保有に抵抗がある方は、投資信託をおすすめします。再投資効率を突き詰めるならば、理論的にはこちらの方がパフォーマンスは良くなるでしょう。
組み合わせても問題はない
もしあなたが成長要素を求めるのなら、いわゆる「サテライト」として、【QQQ】あたりを少量仕込むというのも戦略のひとつです。
再投資による複利
着実に増配を続ける構成銘柄から生み出される分配金を積極的に再投資することで、長期投資における超重要事項である「複利効果」を享受することができます。
相乗効果を生かす
【増配】と【複利】の相乗効果がもたらす長期投資への影響は多大なるものです。【戦慄のレバレッジ】よりも【約束されたシナジー】の方が賢い資産形成だと思いませんか?
下落時も焦ることはない
下落相場での安心感はお墨付き。構成銘柄に高PER銘柄が少ないこともあり、他のETFと比べてマイナスはかなり抑えられています。
最高のコア資産
【VIG】とは、【VOO】や【QQQ】といった「王道」の影に隠れた最高のコア資産だと考えています。
私は資産の大半をこの【VIG】に任せています。当然後悔はありませんし、自分にとって最適な選択ができていると思っています。
- 目先での配当を必要としない
- 予定投資期間が長期
- 増配と複利の破壊力を理解している
これらに該当するのであれば、何をコア資産にするかの答えは決まりですよね。
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