この記事では、私さとりが愛する債券ETF【VGLT】について紹介します。
株式をメインの投資先としていますが、分散やリスク調整を目的とし、債券ETFもある程度保有しております。
この【VGLT】はそのうちの一部となります。
- 圧倒的な逆相関
- 安定的な毎月分配
- 下落相場での反撃を狙う
はじめに
軽くご紹介
【VGLT】は、米国の資産運用会社【バンガード】が運用するETFであり、米国ETFの時価総額ランキングにおいて200位以内に位置するものです。
また、ほとんど同一の債券ETFとして【TLT】というものがあります。
【TLT】は歴史が長いこともあり、時価総額ランキングでは70位以内に位置しますが、経費率が若干高いということから、私は【VGLT】を買付しています。
長期投資用PFの一角を任せるのに文句なしの銘柄です。
ベンチマークとなる指数
【VGLT】は【Bloomberg US Long Treasury Index】に連動するETFです。
この指数は【米国政府】が発行した【満期まで10年から25年】ある債券にて構成されたものです。
ETFの基本情報
基礎データ
運用会社 | Vanguard |
---|---|
ETF名称 | VGLT:Vanguard Long-Term Treasury ETF(公式) |
連動指数 | Bloomberg US Treasury: Long Index(公式) |
平均残存年数 | 18.1年 ※VGLTの償還ではありません |
経費率 | 0.05% |
VGLTの長所
株式との圧倒的な逆相関
【VGLT】が誇る随一の長所であり、これを保有する意義です。
逆相関に触れる前に、まずは【相関係数】について説明します。
相関係数とは…
2つの銘柄を比較する際に使用されるものであり、それぞれの値動きの関連性を数値化したものです。
似た値動きをするものは「正の数値」、逆の値動きをするものは「負の数値」で表され、「+1〜-1」の範囲で示されます。
例えば【VOO】と【VTI】の場合、これらはほとんど同じ値動きをするため…
分散投資を検討するうえで
相関係数が「+1」に近い銘柄をいくつ集めたところで、分散の効果はありません。
例えば、またもや【VOO】と【VTI】ですが、これら2つでは分散投資になりません。
効果的に分散されたPFを組むためには、この【相関係数】を意識することが非常に重要となります。
できる限り、相関係数が「0」や「-1」に近いもので支え合うことが大事なのです。
どれほどの逆相関なのか
ETFの相関係数を調べたいときは【tradingview.com】のチャートツールを使うと便利です!
ツールといっても、ダウンロードは不要で、無料で何回でも使用できます。
チャート画面すぐ上の「fx」ボタンから「cc(相関係数)」を選択してください。
比較したい銘柄名を入力することで、相関を示すグラフが表示されます。
まずは【VOO】と【QQQ】とで比較したものをお見せします。
上部のチャートが【VOO】の株価チャートです。
そして、下部の面グラフ(水色)が、【VOO】と【QQQ】の相関係数を示しています。
面グラフの右側にある数値が、相関係数の値です。
この比較だと、ほとんどの部分で「+1」に近い値となっていることから、相関係数が高いことがわかります。
【VOO】と【QQQ】の値動きを、株価チャートで比較してみましょう
では【VOO】と【VGLT】だと?
相関係数は以下のとおりです
半分以上の部分で相関係数がマイナスとなっていることがわかります。
【VOO】が大幅に値下がりしたとき、しっかりと逆相関の動きをしていることもわかります。
それでは、株価チャートで見てみましょう。
相関係数どおり、コロナショックの場面では圧倒的な値上がりを記録しています。
これが逆相関の強みであり、下落・暴落相場という逆境においても、リバランスによる圧倒的な反撃を繰り出すことができるのです。
毎月分配の安定的インカム
【VGLT】は毎月分配のETFです。
ほのかにじわじわと右肩下がりの分配金ですが、確実なインカム収入を得ることができます。
年間の利回りとしては【2.0〜3.0%】あたりを推移しています。
逆相関による反撃の機会を伺いつつ、もれなくインカムも得ることができます。
保有にあたっての注意点は?
長期のコア資産には向かない
【VGLT】のアセットクラスは【債券】に分類されます。
【債券】は【株式】に比べ、長期的な成長は劣るとされています。
出典:株式投資 第4版
(ジェレミー・シーゲル著)
【VGLT】も例外ではなく、緩く、なだらかな成長となっています。
【VOO】と比較した長期的なチャートをご覧ください。
コロナショックなどの瞬間的な局面では強いですが、長期的な目線で見ると、株式の成長力には遠く及びません。
ただ、株価が右肩下がりというわけではないので、安心して保有することはできます。
PFに設定する比率としては、暴落局面でパニックにならないよう、自分の「リスク許容度」を調整する目的で保有するくらいがちょうど良いでしょう。
終わりに
【VGLT】の保有目的は、【成長】ではなく【逆相関】です。
投資をしていると、おそらく出会うこととなる暴落相場。
そういったとき、株式だけのPFだと、大幅に資産を減らすこととなります。
そうなってしまったら、パニックになることは避けられません。
狼狽売りからの退場。最悪の幕引きです。
人間は、自身のリスク許容度を高く見積もりがちです。(経験則)
暴落局面において少しでも冷静さを保つため、PFには債券を一部組み込み、暴落時のクッションとするべきです。
また、PF構成に関する研究により、PF全体の2割までであれば、債券を保有することで【投資リターンを下げずにリスクを減らす】ということが立証されています。
出典:アセットアロケーションの最適化
(ロバート・カーバー 著)
横軸が債券の割合、縦軸がリターンの高さです。
長期投資において重要なのは【心を保ち、継続する】こと。
(某煉獄さんは、心を燃やしてますが…)
【VGLT】を保有することで、PFの潜むリスクの調整、逆相関による暴落時のパニック抑止、さらにはリバランスによる反撃を狙えます。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今回の記事、参考になりましたか?
よろしければ、下の応援ボタンをポチポチしてくださいませ。本当に励みになります…