投資全般

【一括/ドルコスト】合理性か、心理的平穏か。勧めやすいのはドルコスト。

 こんにちは、さとりです。今回は最近よく聞くこの話題。

 私の考えは以下の3点。

 ドルコスト平均法は「他人に勧めやすい」投資法だと考えています。

 最もパフォーマンスが良いのは一括投資だと考えています。私は一括投資が好きですし、それをおすすめもします。仲の良い知人にそう勧めたこともあります。

 しかしながら、相場変動がもたらす心理的変動に耐え続ける自信がないのなら、ドルコスト平均法による積立投資も悪くないと考えています。

まずは用語の整理

 簡単に整理します。現在「1,000万円」を保有していると想定します。

  • 一括投資1,000万円をすべて一度に投資する。
    ※例:1000万円分の【オルカン】を一度に買付する。
  • ドルコスト平均法1,000万円を分割し、均等額で定期的に投資し続ける。
    ※例:1,000万円の元手を使い、50ヶ月間、毎月15日に20万円投資する。
  • 積立投資コツコツと買い増すこと。
    ※例:毎月の給料が入り次第追加投資する。

勧める側のリスクが小さい

 想像してください。

 投資未経験の人に一括投資を勧めたとします。その人は実際に投資を初め、持てる資金のすべてを一括で投資しました。しかし、残念なことに相場は下落を初め、あっという間にマイナス40%。

 こんなことがあったらどうなるでしょう?とても恨まれるでしょうね。

  • お前のせいだ
  • 金を返せ

 一生恨まれるでしょう。

 こうなるともう「長い目で見ると右肩上がり〜」なんて話は通用しません。勧めた相手との関係は…もう終わりでしょう。

 SNSで勧めたのなら一生粘着されるでしょうし、リアルの知人に勧めたのであれば「あいつは詐欺師だ」なんていう根も葉もない噂を流されるでしょう。

 嫌ですよね。自分にとって良いことはなにもない。

 では、ドルコスト平均法を勧めていたのならどうでしょう?

 お気付きのとおり、180度真逆です。

  • 下落時に多く買えるからチャンス!
  • 積立中の下落はラッキーなことだよ

 こんなことを言えますから、勧める側としては安心なのです。恨まれる心配なんてありません。それどころか「ドルコスト平均法で良かった!勧めてくれてありがとう!」なんて崇めてくれるかもしれません。

 ドルコスト平均法とは「他人に勧めやすい」投資法なのです。

 おっと、暴落することで崇められる。同じようなものがあったような…

なぜ暴落煽りが多いのか? なぜ下落や暴落の煽りが多いのでしょうか。株価が下がるより、上がってくれた方が嬉しいはずです。ならば上がるタイミングを予想したほうが有益...

 ドルコスト平均法を勧める人は、暴落おじさんと同レベルだった・・・?(さすがにそんなことはない)



下落に賭ける投資法

 さて、簡単に整理しましょう。一括投資とドルコスト平均法、それぞれの優位パターンは以下のとおりです。

  • 一括投資:投資後に右肩上がり
  • ドルコスト:投資後に下落

 単純です。これには誰の異論もない。ならばどちらを採用するかなんて決まっています。右肩上がりの相場を願って投資するのだから、一括投資するべき。

 これ以外、論理の筋は通りません。

 「下落すると思うからドルコスト平均法にする」は成立しません。下落を予想するなら、そもそも投資するべきではない。

 「下落するかもしれないからドルコスト」も成立しません。株価はサイコロで動くわけではありません。運ではなく、成長と発展です。だからこそ歴史的に右肩上がりで、下落より上昇の方が期待値は高い。この場合に取るべき手法は「ドルコスト平均法」ではなく「(全額ではない)一括投資+(もしものため・リスク調整用の)現金保有」です。

 ドルコスト平均法で投資する場合、これによる積立期間中に下落が来ない限り、一括投資に勝るパフォーマンスは得られません。

 言い方を変えれば、積立中の下落に賭けているということです。下落が来るまで高値掴みを続ける投資法なのです。

 一部の保険と同じようなものです。一定期間以内に怪我(下落)をしない限り、金銭面ではプラスになりません。

 合理的に考えるのならば、一括投資以外に正義はありません

心理面を優先するのなら…

 一括投資は、合理的に正しいです。

 そう、合理的に考えるのならば、です。人間には厄介な感情があることを忘れてはいけません。

 合理性をすっ飛ばし、自分が投資したあとに下落するのはなんか悔しいという思いを避けたり軽減したりすることを優先するならば、ドルコスト平均法が最適でしょう。

 ただ、この感情は未経験者特有のものだと思います。投資経験を積み、適正なリスク許容度を見定められるようになれば、下落への恐怖はかなり薄くなります。

 一括投資により多額の資金をリスクに晒し、自身の心理的変動を実体験することで心は急成長します。これはドルコスト平均法による少額積立ではなかなか得られないものです。

 また、ある程度の投資額になってしまえば、何をどうしようと下落時のダメージは大きくなるので、もう関係ありません。

 1000万円を一括投資したあとに下落を受けるのと、1000万円をドルコスト平均法で投資しきったあとに下落を受けるのとで、なにか違いはありますか?どちらも同じ大ダメージでしょう。

 予定額を投資しきるまでに心が強靭になればいいですが…そうならなければ一括投資と何も変わりません。

 ドルコスト平均法が悪だとは思ってません。心を優先するならば、これもアリといった感じでしす。



投資を続けることが最重要

 繰り返しますが、ドルコスト平均法は「他人に勧めやすい」投資法です。投資系インフルエンサーや証券会社だってこれを勧めています。

 勧めやすい。本当に勧めやすい。勧める側に保険がかかるので、最高に勧めやすい。

 未経験者に一括投資を勧めるのは「ハイリスク・ローリターン」ですが、ドルコスト平均法なら「ローリスク・ハイリターン」です。

 もちろん、ドルコスト平均法は悪ではありません。詐欺の類でもないし、騙し騙されなんて世界のものでもない。投資法として確立された王道の手法です。

 一括投資後、心が育つ前に下落を受け、精神的ショックを受けて投資をやめてしまうことに比べると、遥かにマシなことだと思います。

 投資を長く続けること以上にハイパフォーマンスなことはありません。自分の心と向き合い、適切で心地よい距離感を保てるやり方を見つけ、ストレスフリーで上手な資産形成を続けていきましょう。

さとり
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