この記事では、米国株における代表的指数【Russell 2000】を対象にしたETFについて紹介します。
この指数に関連するETFは2種類あります。
- VTWO
- RYLD
これら2種の違い、どっちに投資すれば良いのかを考えてみましょう。
【RYLD】が優秀だということです!
カバードコールETFの中でも超優秀!
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Russell 2000とは
米国企業の時価総額上位1001位から3000位までを、時価総額加重平均で整理したものです。
【VTWO】はこれをそのままETF化したものです。
【RYLD】は【VTWO】にてカバード・コール戦略をとるETFです。
VTWOか?RYLDか?
【Russell 2000】はメインの投資先として選定される指数ではなく、【Nasdaq100】や【S&P500】などといった王道の指数にメインで投資している人が分散を目的として保有を検討するものでした。
しかし【RYLD】の誕生によりその印象は大きく変わりました。
VTWO
短期的ならアリ
分配金再投資を加味したチャートにて、【VOO】と比較してみましょう。
- 青:VOO
- 赤:VTWO
直近10年近くのものです。緑色で丸を付けた2箇所以外、【VOO】に劣後しています。【VTWO】を構成する小型株は無配もしくは低配当のものが多いため、資産運用において最も重要である【複利】を活用できません。
よって、長期で戦うのではなく、短期的な値上がりを狙った運用が好ましいです。
長期で持つ必要なし
前項で紹介したとおり、分散を目的としているわけでないのなら【VTWO】は長期投資には適していません。
小型株というものは、株(企業)にとって【通過点】なのです。【VTWO】に組み込まれている小型株が大きく成長し、世界を牽引する大企業にまで成長したとします。
その場合【VTWO】は爆上げでしょうか?
なりません。なぜなら、その頃には既に小型株ではないため、【VTWO】からは除外されて【VOO】や【VONE】に組み込まれているからです。
結局、長期的な成長を期待するのなら、小型株という成長の【通過点】に投資するのではなく、【QQQ】や【VOO】、【VIG】などといった、成長を遂げつつ、さらなる成長を続けていく企業が組み込まれた【到達点】のETFに投資するべきなのです。
なお、どうしても成長前から成長後まで投資したいのなら、個別株かセクターETFに投資する必要があります。
先行指標としての役割
【Russell 2000】は、市場全体の値動きを先読みする「先行指標」としての役割があるとされており、「暴落の先行指標」や「炭鉱のカナリア」などと呼ばれることがあります。
そういった側面もあるため、実際に投資するのではなく、日々の値動きを監視する程度が適切なのではと思います。とはいえ、実際にそういった働きをしているかというと、怪しいものもありますが…
RYLD
【RYLD】の誕生により、【Russell 2000】がカバード・コールに最適の指数であり、この指数に投資するなら【RYLD】を活用するべきだとわかりました。その理由を確かめるために、他の指数、ETFと比較をしてみます。
元指数のETFに投資するべきか、カバード・コールETFに投資するべきか。
Nasdaq100
【QQQ】【QYLD】を見てみます。期間は【RYLD】が誕生した2019年4月以降としています。
分配金を再投資した後のチャートです。
- 青:QQQ
- 赤:QYLD
2019年以降、コロナショックという大暴落がありつつも、米国株は驚異的な成長を遂げています。単純に株価が上がっているため、指数そのものに投資をする【QQQ】の方が「50%」ほど高いパフォーマンスとなっています。
【QYLD】はカバード・コール戦略という仕組み上、値上がりによる利益を放棄しているため、上昇局面をチャンスとして活かすことができません。
この期間を切り抜いた比較を見てしまうと、やはり【QQQ】に投資をした方が資産は増えると言わざるを得ませんね。
S&P500
今度は【VOO】と【XYLD】で見てみます。
- 青:VOO
- 赤:XYLD
こちらの場合も、やはり指数そのものに投資した方が利益は出ていました。ただ、差は「25%」ほどであるため、【Nasdaq100】と比べて差は小さくなっています。
また、【XYLD】は【QYLD】よりも高いパフォーマンスとなっています。【Nasdaq100】と比べると【S&P500】の方がカバード・コール戦略に適した指数なのだと感じますね。
Russell 2000
さて、ここでようやくこの指数です。注目のETF、【RYLD】のパフォーマンスはいかがなものでしょうか?
【RYLD】と、元指数に投資する【VTWO】の2つで比較します。
- 青:VTWO
- 赤:RYLD
なんと、【RYLD】の方が高いパフォーマンスとなっているのです。差は僅かではありますが、他の2種では到底ありえないことが起きています。
また、元指数を超えているだけでなく、他の2種よりも高いパフォーマンスになっています。
これは、【Russell2000】の値動きに「小刻みに激しく動きつつも大きなトレンドを形成しない」という特徴があることに起因していると考えられます。
おまけ:元指数ETFで比較すると?
- 青:QQQ
- 赤:VOO
- 橙:VTWO
【VTWO】が大きく劣後していますね。
ほんの一時期だけ【VOO】を超えていますが、それ以外は常に劣っています。
おまけ:カバード・コール3種だと?
- 青:QYLD
- 赤:XTLD
- 橙:RYLD
【RYLD】は小型株の集合体であるため、コロナショックの際はその弱点に脅かされましたが、その後は他よりも優秀なパフォーマンスを発揮しています。
カバード・コールに最適
カバード・コール戦略というものは、通常の投資とは仕組みがまるで異なります。
通常の投資であれば単純に値上がりした分が利益となるところ、カバード・コールにあってはそうは行きません。カバード・コール戦略の対象とする銘柄(指数連動ETF)がいくら値上がりしようとも、カバード・コール戦略での利益には関係ないのです。
それは、仕組み上値上がり益を放棄しているから。元指数が値上がりしている場合、そちら側に投資していた方が利益は出ます。
また、順調に値上がりを続ける銘柄というものは、それが下げに転じたときの下げ幅も大きくなることが多いです。【QQQ】をイメージすると分かりやすいと思います。上げも長く大きいですが、下げも長く大きい。
カバード・コール戦略は、値上がり益を放棄するものの、トレンドに乗った値下がりについてはそのまま受け止めてしまいます。そのため、できるだけ元指数の値動きが小さい方がカバード・コール戦略にとっては都合がいいのです。
しかしながら、株価の変動が全く無い場合、カバード・コール戦略における唯一の利益である「オプションプレミアム」を得ることができません。
よって、カバード・コール戦略をとるにあたり、「基準価格の維持」と「オプションプレミアムの維持」はトレードオフの関係なのです。
そんな中誕生した【RYLD】、これは従来の2種のいいとこ取りをしたようなETFとなっています。
【RYLD】が対象とする【Russell 2000】は、小型株特有の「激しくも小刻みにジグザグした値動き」をしているため、オプションプレミアムを高く獲得しつつ基準価格も削られにくいというカバード・コール戦略にとって最高の指数なのです。
今までトレードオフだったものを両取りしています。
ただし、リスクを忘れてはいけません。大きなショックや経済危機などにより小型株が壊滅的ダメージを受けた場合、【RYLD】も同様に壊滅的爆下げとなります。
コロナショック時のチャートを見ればその激しさがわかります。
オレンジが【RYLD】ですが、ダントツの下げ幅であることがわかります。
その後の回復によりなんだかんだで値を戻してはいますが、こういった壊滅的暴落に遭遇するかもしれないというリスクを受け入れる必要はあります。
これを覚悟できるのなら【RYLD】は何よりも優秀なカバード・コールETFと言えるでしょう。カバード・コールETFの保有を検討していて、分配利回りを重視したいのなら、【RYLD】が最適なのではと思います。
皆様、ぜひご自身の目的にあった投資を継続し、着実に資産を増やしていきましょう!
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