この記事では、金利と債券の関係について、基本的な考え方をおさらいします。
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なお、自分の理解を確認する意味合いもあるため、同じようなことを表現を変えて繰り返し書いております。
最近の債券市場
さて、最近の相場ですが、金利の上昇により債券ETFの価格は大幅に下落しています。
VGLT
長期国債ETF【VGLT】は、およそ3年半前の水準にまで値を下げています。
米国では、加速するインフレを抑えるため、利上げによる景気のブレーキが必要となっています。これにより、米国政策金利は現在も上昇中。2022年末に「3.4%」となる見通しです。
ゼロから「3.4%」です。かなりの利上げですね。
ところで、なぜ金利が上がると債券の価格が下がるのでしょうか。
メカニズムとしては
金利が上がると債券の価格が下がる理由。答えとしてはこれです。
「現状の債券ETFに組み込まれている債券」の価値が、「金利が上がった後に組み込まれる債券」よりも低くなるから。
「金利が上がった後に発行された債券」の方が利回りが良く、価値が高いからですね。
現状の債券ETFには「ゼロ金利時代の債券」が多く含まれているため、得られる利息はあまり大きくありません。対して「金利が上がった後に発行された債券」からは多くの利息を得ることができます。
つまり、お金を貸す側(=投資家側)としては「金利が上がった後の債券」の方がリターンが高いため、価値が高いということです。
価値と価格
この「価値」は、債券の取引価格に影響します。金利が上がった後の市場では、金利が低い時代の債券の価値が下がるため、その時代の債券を買値と同額以上で売ることはできません。
それはなぜか。仮にそれぞれの債券の利息を
- 金利が低い時代:1%
- 金利が上がった後:3%
とします。
金利が低い時代に債券を10万円分買ったとします。単純に「利息=利回り」とするなら…
そしてこの債券を「金利が上がった後」に売るとします。そのとき、残念ながらどうやっても10万円で売ることはできません。
それは「今、そんな債券を10万円で買う人なんていない」からです。
既に金利が上がっているのですから、世には利回り3%の債券が出回っているわけです。ならば、それを10万円で買った方が遥かに得だということです。
つまり「金利が低い時代の債券」を売ろうとするなら、値段を下げて売るしかないわけです。それが9万円なのか8万円なのかはわかりませんが、とにかく元本割れ覚悟で売るしかないのです。
金利が上がると、それ以前に発行されていた債券の価値は下がります。
価値が下がるため、取引価格も下がるという仕組みです。
市場は常に先を読む
さて、金融市場における市場価格とは、先読みした価格で形成されます。
利上げが実施されるとわかった途端、債券投資家は現在の債券を手放し、利上げを織り込んだ後に買い戻そうとします。こういった動きが発生し、債券市場は即座に下落を開始します。
これにより、その市場価格をベンチマークとしている債券ETFの価格も下がるというわけです。
また、定期的に実施されるCPIの発表などによりインフレ傾向が改善してないと判断された途端、市場はさらなる利上げに備えるため、またもや即座に市場価格として反映されます。
この先をどう見るか
さて、今回はこのあたりにしておきましょうか。
それでは、利上げがピークを迎え、景気の変動が起き、利下げの方向へと切り返しが起きたなら、債券の価格はどうなると予想できますか?
そう、利下げ前に発行されていた債券(=金利が高い時代の債券)の価値が上がります。
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