この記事では、私さとりが愛する債券ETF【BND】について紹介します。
株式をメインの投資先としていますが、分散やリスク調整を目的とし、債券ETFもある程度保有しております。
この【BND】は、そのうちの一部となります。
- 圧倒的な安定感
- 安定的な毎月分配
- 現金ポジションの代替
はじめに
軽くご紹介
【BND】は、米国の資産運用会社【バンガード】が運用するETFであり、米国ETFの時価総額ランキングにおいておおよそ10位に位置するものです。
また、ほとんど同一の債券ETFとして【AGG】というものがあります。
【AGG】は歴史が長いこともあり、時価総額ランキングでは【BND】よりも上位に位置しますが、経費率が極々若干高いということから、私は【BND】を買付しています。
債券アセットの王道であり、PFの一角を任せるのに文句なしの銘柄です。
ベンチマークとなる指数
【BND】は【Bloomberg Barclays US Aggregate Bond Index】に連動するETFです。
この指数は【米国債】や【米社債】などの米国内に所在する債券のうち【投資適格】と格付けされたものに対して投資します。
大まかな内訳としては
- 米国債:65%
- 社債 :35%
となっています(2021年12月時点)
ETFの基本情報
基礎データ
運用会社 | Vanguard |
---|---|
ETF名称 | BND:Vanguard Total Bond Market ETF(公式) |
連動指数 | Bloomberg Barclays US Aggregate Bond Index(公式) |
平均残存年数 | 6.8年 ※BNDの償還ではありません |
経費率 | 0.05% |
※2021年12月時点
BNDの長所
圧倒的な安定感
【BND】が誇る圧倒的な長所がこれです。
いかなる相場環境においても微動だにせず、それはまるで貯金のよう。
過去の大幅な下落相場での実績を紹介します。
まずはリーマンショック時、2008年からの値動きです。
【SP500】が暴落する中、まるで何もなかったかのような安定感です。
続いて、2020年のコロナショック時における値動きは以下のとおり
【SP500】が急落する中、【BND】はチョンと下げただけです。
このように、小規模な下落はもちろんのこと、大きなショックに対しても耐性を持ち、圧倒的な安定感により価格を維持してくれます。
さらに、このチャートからもわかるように、株式に比べ下落からの復帰が非常に早いことが特徴です。
これを活かし、株式が安値となっているうちに復帰した債券を売却し、株式を格安で仕込むという事ができます。
株式との相関が低い
【BND】が誇るもうひとつの長所です
株式との相関係数が低いこと、つまり株式の下落相場に引っ張られない安定感があるということです。
株式と比較した相関係数を見てみましょう
上のチャートが【VOO】のチャートです
下の青い面グラフが【VOO】に対する【BND】の相関係数です。
直近5年分ですが、プラス方向とマイナス方向にちょうど半分ずつ分かれているような状態ですね。
つまり…
【VOO】が上がろうと下がろうと、【BND】にはほとんど関係ないことだとわかります。
株式の急落時でも【BND】の価格は維持されることが期待できますね。
なお、相関係数とは…
2つの銘柄を比較する際に使用されるものであり、それぞれの値動きの関連性を数値化したものです。
似た値動きをするものは「正の数値」、逆の値動きをするものは「負の数値」で表され、「+1〜-1」の範囲で示されます。
例えば【VOO】と【VTI】の場合、これらはほとんど同じ値動きをするため…
効果的に分散されたPFを組むためには、この【相関係数】を意識することが非常に重要となります。
毎月分配のインカム
【BND】は毎月分配のETFです。
右肩下がりの分配金ですが、確実なインカム収入を得ることができます。
年間の利回りとしては【2.0%】あたりです。
他のETFと比べて弱めのインカムですが、現金預金のような低リスクであるため、リターンが低いことは当然と言えるでしょう。
保有にあたっての注意点は?
長期のコア資産には向かない
【BND】のアセットクラスは【債券】に分類されます。
【債券】は【株式】に比べ、長期的な成長は劣るとされています。
出典:株式投資 第4版
(ジェレミー・シーゲル著)
【BND】も例外ではなく、緩く、なだらかな成長となっています。
【SP500】や【Nas100】と比較した長期的なチャートをご覧ください。
紫が【Nas100】、ピンクが【SP500】、緑が【BND】です。
(チャートはインカム無しの株価だけです)
素晴らしい安定感。まるで直線。形を変えた現金。
設定されて15年近くなりますが、価格は13%ほどしか成長していませんね…
しかし、ほとんど成長しないとはいえ、株価が右肩下がりというわけではないので、安心して保有することはできます。
- 現金ポジションが増えすぎた。
- PFのリスクを抑えたい。
こういったことでお悩みの方にはオススメでしょう。
終わりに
【BND】に求めることは、【成長】ではなく【安定感】です。
株式だらけのPFだと、日々の値動きが激しくなってしまうため、精神的に落ち着いていられなくなることもあります。
神経が高ぶって眠れないなんてことも…
リスク許容度を超えた資産運用をしていると、
- ソワソワして落ち着かない。
- 資産の変動が気になる。
- 売却したくなる。
こんな状態になります。
人間は、自身のリスク許容度を高く見積もりがちです。
特に若い人だと「若い内はリスクを取れる!」と思い込み、さらにはそれを誤解し、防御策のない資産配分をしてしまいがちです。
いかなる相場状況においても冷静さを保ち、堂々と相場に臨めるよう、PFには債券を一部組み込み、暴落時のクッションとするべきです。
また、PF構成に関する研究により、PF全体の2割までであれば、債券を保有することで【投資リターンを下げずにリスクを減らす】ということが立証されています。
出典:アセットアロケーションの最適化
(ロバート・カーバー 著)
横軸が債券の割合、縦軸がリターンの高さです。
相場と資産は動いても、己の心は動かない。
長期投資においては、これが重要なのです。
【BND】の役割としては
- PFに潜むリスクの調整
- 株式急落時のリバランス
- 余剰資金の退避場所
- 「高いリスクに晒せない資産」の運用
といったものとなります。
今一度、ご自身のPFを見直し、一部分でも【BND】を組み込んでみてはいかがでしょうか。
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