この記事では、みんな大好き「レバレッジ型ETF」について、その取り扱い方をご紹介します。
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レバレッジ型ETFは上げ相場での利益が莫大であり、上手に利用することさえできれば短期間で爆益を生み出せるうえ、信用取引とは異なり借金リスクもないことから、つい軽い気持ちで強欲のままに利用してしまいます。しかし、過去のバックテストからなる綺羅びやかで都合の良い魅力的な金銭的リターンだけを見て投資の判断をするのはよくありません。
個別株や通常のETFとは異なり、その仕組みからなるデメリットやリスクを理解する必要があることから、見かけ以上に取り扱いが難しい上級者向けの投資商品であるため、しっかりと知識をつけ、自分に合った適切な距離感で付き合っていく必要があります。
長期運用は推奨されない
逓減という避けられないデメリット
基本として、レバレッジ型ETFの長期運用はNGとされています。
個別株や等倍ETFでは、価格が下がっても「まぁいいや、いつか戻る。配当金もあるし。」といった「塩漬け」ができます(それが適切かどうかは別として)。しかし、値動きにレバレッジをかけるタイプのETF(投資信託)にあっては、その仕組み上長期投資には適さないため、基本的に「塩漬け」はNGとなっています。
その仕組みとは、いわゆる逓減です。ジグザグの横ばい相場ではETFの価格が削られてしまうのです。
一部のレバレッジ愛好家からは、逓減の影響は微々たるものなので、そこまで意識する必要はないだろうという主張もされていますが、程度はどうであれこれがレバレッジ型ETFの「デメリット」であることは間違いありません。
※「リスク」とは値動きなどの不確定要素のことであり、「デメリット」とは手数料などの確定したマイナス要素のことです
「5万円が5000万に!」などと言った初心者向けのキャッチーな書籍や「長期で持てば報われる!ここは耐え時!」などと発信するインフルエンサーは「レバレッジ型ETFの長期投資or積立投資」を推奨していますが、世界の名著にはしっかりとそれはNGだと明記されています。
適切な売却が重要
売却でしか利益を出せないうえ、放置することが爆損へとつながる投資商品を取り扱うには、
- 欲を出さずに【微益撤退】
- 負けを認めて【損切撤退】
これらをマスターしていなければならないのです。
長く持たず、トレード的な短期売買で利益を狙うことが適切だと思います。
SNSに流されない判断力が必要
投資成績のマイナス要因として「SNSを鵜呑みにする」というものがあります。
インフルエンサーによって発信される素敵な時期を切り抜いたバックテストを見ると、短期間で数倍のリターンになったりもしているため、つい魅力的に見えてしまいますよね。
「〇〇年〇〇月に〇〇を買い、激しい上げ下げにより日々の生活に支障が出るほど心を消耗させながらも決して売却せずに〇〇年持ち続けたら、〇〇倍になった!」
誰も実現していないであろうにも関わらず、これくらいの利益はさも当然のことであり、なんなら自分は成し遂げたと言わんばかり。こんな再現性のない仮定だらけの論調、「あの日あの時あの馬券を買っていたら…」と同じじゃないですか?
こういった魅力的な部分だけを主張した煽りに流されるだけの売買は絶対にNGです。
とある銘柄のチャートを御覧ください。
みんな大好き【SOXL】の価格です。このチャートは順調に上がり続けていた1年半を切り抜いたものであり、この区間のリターンは「+1,500%」。すなわち15倍です。この区間のどこかで買付し、その後どこかで売り抜けできていれば、おそらく相当な利益になったでしょう。
私もまさにこの期間に【SOXL】を知って利用した身であり、旅行に行ける程度の利益を出すこともあれば、しっかり損をしたこともあります。この頃は本当に3倍ETFやレバナスの買い煽りが凄かったと記憶しています。
しかし、煽られるがままに買付してしまった個人投資家は、その後自ら学び経験を積むといったことをしていない限り、売却のタイミングを自己決定することができないでしょう。
売り方もわからず持ち続け、SNSの盛り上がりに心踊らせ、上がり続ける株価に歓喜し、億り人を夢見、FIREを目指し始めた頃、絶望に突き落とされます。
リターンは「-80%」、すなわち0.2倍。この間わずか半年です。
ただ、わずかとは言ったものの半年ありました。どこかの段階で逃げていれば、ここまでの損失にはなりません。
ここで「逃げる」と表現しましたが、これは「早めに売っておけばよかったのにね」という結果論ではなく、しっかりと知識をつけ、売却ルールを定めた上でチャレンジしていたならば「逃げ上手の損切りができた」ということです。
「上がり続ける!」と煽り続けていたインフルエンサーは、決して「早めに損切りしましょう」とは言いません。「歴史が米国株の強さを証明している。上昇の稲妻を逃すわけにはいかない!」などと煽り続けるため、流されるままの個人投資家はこれを盲信してしまい、レバレッジ型ETFにとって禁忌とされる「ガチホ」という手段に出てしまうのです。
私はYoutubeとTwitterが好きで、毎日楽しんでいます。投資系インフルエンサーの動画やツイートも好んで見ていますが、そういった方々の発信は投資判断に用いていません。あくまでもエンタメとして楽しむ程度に留めています。
オススメ動画のサムネやリツイートされてきた悲観的なつぶやき、あるいはテンバガー達成などの爆益報告。こういったものに流されない強い軸を保てないのなら、リスクの大きいレバレッジ型ETFに手を出すべきではないでしょう。
不必要に資産を減らさないためにも、売買の判断は自分でできないといけないのです。
自分に合った規模での投資を
総資産に占めるレバレッジETFの割合は少なめにしておくことが賢明です。
未来が見えず、何があるかわからないのが投資の世界。2021年の凄まじい上げ相場で「これはまだまだ上がる!」と信じ多額の投資をした人は多いでしょう。
その人達が今どうなっているか。なんとなく察することができますよね。
ちなみにですが、下2つのリンクはわたしの爆損の歴史です。
リスク許容度を把握する
過去のバックテストどおりには行きません。そのため、投資は何がどうなってもいい金額に抑えておく必要があり、その金額は「リスク許容度」によるため個人差があります。
多額を投じるのも自由ですが、それは決して優れているわけではありません。お小遣いの範囲で売買し、お遊びや軽いギャンブル感覚で楽しむなど、適切な距離感で楽しめている人が優れているのです。
投資で資産を形成しているのに、投資で破滅していては意味がありません。将来のための投資、娯楽のための投資、それぞれ自分に合ったやり方で楽しく続けていきましょう。
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「デイトレード」の書籍、そのタイトルからトレーダー用の書籍だと思われてしまうことが多く長期投資家から避けられがちですが、内容はほとんど心理学であり、トレードの技術を紹介するものではありません。長期投資にも活用できるため、非常にオススメです。