この記事では、私が愛するETFである【VIG】と【QQQ】について、これらをどのような比率で保有すると、全ての基準たる【S&P500】を越えるパフォーマンスを獲得できるのかを検討します。
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リターン狙い
○【VIG:QQQ=45:55】
バランス重視
○【VIG:QQQ=67:33】
安定性重視
○【VIG:QQQ=85:15】
※2022年1月2日時点での検証です。投稿以降大きく相場が変動しておりますので、ぜひご自身で最新の検証をしてみてください!
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組み合わせが輝くことも
株式保有により効率的に資産を増やすためには、分散投資によるリスク調整が大切です。たとえETFによる投資でも、銘柄によっては他のETFとの組み合わせが有効になります。
- 【VT】(全世界)
- 【VTI】(全米)
- 【VOO】(米国TOP500)
といった「広く効率的に分散」されたものであれば、単独でも十分完成されています。しかしながら、
- 【QQQ】
- 【VIG】
- 【VGT】
などといった
- 分散数が少ない
- 選定に条件がある
- 特殊なテーマ性がある
このようなETFは、組み合わせによりリターンが向上する可能性があります。
今回は、分散によるリターンを調べるために「Portfolio Visualizer」を使用しました。
比較の条件設定は
- 初期投資額は1万ドル
- 分配金は再投資
- リバランスは年1回
としています。
なお、【VIG】設定日の都合上、比較は2007年1月からとしています。
目指すPFは?
目標は至極単純で
【S&P500】より
○標準偏差が小さく
○リターンが高い
比較の前段階として
各銘柄のセクター比率
各比率は2022年1月1日時点のものです。
SPY(S&P500)


全体のバランスはOK!
QQQ


3セクターで8割超です。
VIG


でも少し攻めが弱いですね…
セクター比率も意識しながら、これらをどのように組み合わせればより良いPFになるかを検討していきましょう!
各銘柄単独での記録


- 青:VIG
- 赤:QQQ
- 黄:S&P500
上部の主要なデータの意味は、以下のとおりです
- CAGR:年平均の成長率
- Stdev:標準偏差(低いほど良い)
- Max.Drawdown:最大下落率
- Sharpe Ratio:価格変動に対するリターンの高さ(高いほど良い)
- Sortino Ratio:下落リスクに対するリターンの高さ(高いほど良い)
3つの成績を並べると以下のとおりですね。
- リターン:QQQ>>>SPY≒VIG
- 安定性 :VIG>SPY>QQQ
- 最大下落:QQQ≒SPY>>VIG
単純に比較すると、直近15年では【QQQ】が絶好調でした。【VIG】と【SPY】のリターンはほぼ同一ですが、【VIG】の方が下落リスクが抑えられていますね。
【QQQ】で成長を取り【VIG】でリスクを下げることが、PF全体の成績に大きく影響しそうです。
「【QQQ】だけで良いのでは?」と考えがちですが、価格の変動幅や最大下落率が非常に高いため、【安定的】とは言えなさそうです。
複数の銘柄を組み合わせ、自身のリスク許容度に合わせたPFを作ることが大切なのです。
なお、2000年からだと…
【QQQ】と【SPY】であれば2000年からの比較ができるため、参考に見てみましょう。


- 青:SPY
- 赤:QQQ
2000年からでも、最終的な金額は【QQQ】が若干上回っています。しかし、最大下落率が恐ろしいことになっていますね。
ITバブル崩壊のようなことが今後起きるかどうかはわかりませんが、セクターの偏りが激しい銘柄への集中投資がいかにリスクの高いことなのかがわかります。
※参考:SPYとVIGでの分散は?
単独での成績がほぼ同一だったこの2銘柄を混ぜ合わせるとどうでしょう?


- 青:SPY100%
- 赤:半分ずつ
- 黄:VIG100%
特別大きな効果は期待できないため、どちらか一方だけでも良さそうです。
VIGとQQQの配分を検討
半分ずつ保有した場合
シンプルに同じ比率で保有した場合です。
各種データ


- 青:VIG100%
- 赤:VIG50%+QQQ50%
- 黄:QQQ100%
- 緑:S&P500指数
絶好調である【QQQ】に【VIG】を混ぜたため、当然ながらリターンは小さくなります。
しかし、標準偏差を【S&P500】以下にすることができたので、PFとしての安定性は増しました。
セクター比率


情報技術セクターが大きくなっています。
全ての基準たる【S&P500】の最大セクターである情報技術セクターの比率が約29%であることから、このPFでそれが約36%というのは少しばかりリスキーと言えるでしょう。
情報技術セクターが集中的に下落した際には、【S&P500】よりも大きく低減することが予想されます。
まとめ
- 安定性 :【S&P500】とほぼ同等
- リターン:【S&P500】の約1.55倍
- 問題点 :情報技術セクターの下落
標準偏差を調整した配分
【VIG:QQQ=45:55】で保有し、できる限りのリターンを狙った場合の結果です。
各種データ


- 青:VIG100%
- 赤:VIG45%+QQQ55%
- 黄:QQQ100%
- 緑:S&P500指数
標準偏差を【S&P500】と同等にしました。半分ずつ保有したPFと比べてリスクは若干増していますが、リターンも増えています。
セクター比率


リターンは高いとはいえ、やはり情報技術セクターの大きさが気になりますね。
まとめ
- 安定性 :【S&P500】と同等
- リターン:【S&P500】の約1.6倍
- 問題点 :情報技術セクターの下落
なお、これ以上【QQQ】の割合を上げると、標準偏差が【S&P500】より悪くなってしまいます。
セクターの偏りを抑えた配分
【VIG:QQQ=85:15】で保有し、情報技術セクターの比率を25%まで落とします。
セクター比率


情報技術セクターの比率を【S&P500】以下に落としました。最大のセクター比率が25%であることから、セクター単位の下落への対策は十分です。
各種データ


- 青:VIG100%
- 赤:VIG85%+QQQ15%
- 黄:QQQ100%
- 緑:S&P500指数
【VIG】の割合を大幅に上げたことで、安定性が非常に増し、最大下落率も抑えることができました。
しかし、リターンが減少してしまいました。
とはいえ【S&P500】よりリターンは高く、年平均で11%の成長なので、これで十分とも言えます。
まとめ
- 安定性 :【S&P500】より良い
- リターン:【S&P500】の約1.15倍
- 問題点 :リターンが控えめ
セクター比率を最大30%とした配分
【VIG:QQQ=67:33】で保有し、最大セクターである【情報技術】の比率を30%にします。
セクター比率


これまでの2つの中間のような比率ですね。【QQQ】単独では
- 情報技術
- 一般消費財
- 通信
これら3セクターで8割超えでしたが、このPFでは5割程度に抑えられています。
しかし、年に数回実施されるETFの構成銘柄変更によりセクター比率も変わると予想されるため、頃合いをみて入金による調整やリバランスを適切に実施する必要があります。
各種データ


リターン重視と安定性重視の中間です。
まとめ
- 安定性 :【S&P500】より良い
- リターン:【S&P500】の約1.3倍
- 問題点 :リバランスが重要
終わりに


大切なこと
いくつか比較しておいてアレですが、あくまでも過去の結果であることを忘れないようお願いします。
そして、ETFの保有にあたって大切なことは、過去の成績や現在のセクター比率
ではなく、
○ベンチマークを理解し愛すること
これを忘れず、柔軟に投資を継続させていきましょう!
比率まとめ
【VIG】と【QQQ】のみで株式PFを組むのであれば、求める期待リターンや自身のリスク許容度に合わせて【VIG】の割合を「85%〜45%」で変動させて保有しましょう。
リターン重視
○【VIG=45%〜55%】
バランス重視
○【VIG=55%〜75%】
安定性重視
○【VIG=75%〜85%】
資産は株式だけではない
今回は【VIG】と【QQQ】での比較でした。しかし、PFのリスク調整には
- 【債券】
- 【金】
といった株式以外の資産も有効です。株式100%より、債券をいくらか混ぜたほうが成績が良いこともわかっています。
株式をリターン重視にする分、債券を多めにしてリスク調整をするといったことも有効です。
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